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TAR(1) User Commands TAR(1)

名前

tar - GNU 版 tar アーカイブユーティリティ

書式

tar
[オプション...] [ファイル]...

説明

GNU `tar' は多くのファイルを一緒に単一のテープあるいはディスクアーカイブの中へ保存し、 アーカイブからここのファイルを復元する。

例

# ファイル foo と bar から archive.tar を作成する。
# archive.tar 内のすべてのファイルの詳細を一覧表示する。
# archive.tar からすべてのファイルを抽出する。

主な操作モード:

アーカイブへ tar ファイルを追加する
新しいアーカイブを作成する
アーカイブとファイル・システムとの差分を取る
アーカイブから削除する (磁気テーブ上のアーカイブには使うことは出来ない)
アーカイブの最後にファイルを追加する
アーカイブの内容の一覧を表示する
アーカイブのボリュームラベルのテストを行い終了する
アーカイブ内の同名ファイルより新しいものだけを追加する
アーカイブからファイルを抽出する

共通オプション:

ディレクトリ DIR へカレントディレクトリを変更する
ARCHIVE というアーカイブ・ファイルまたはデバイスを使う
bzip2 を経由してアーカイブをフィルタする
xz を経由してアーカイブをフィルタする
ファイル属性についての情報を抽出する (スーパーユーザーのデフォルト)
処理したファイルの一覧を詳しく出力する
gzip を経由してアーカイブをフィルタする

操作オプションに対する付加機能:

インクリメンタルアーカイブを作成する時にデバイス番号をチェックする (デフォルト)
新しい GNU 形式のインクリメンタルバックアップを処理する
古い GNU 形式のインクリメンタルバックアップを処理する
読み込めないファイルについて非ゼロで終了しない
アーカイブはシーク可能であると見なす
インクリメンタルアーカイブを作成する時にデバイス番号をチェックしない
アーカイブはシーク不可能と見なす
アーカイブ中の各ファイルの NUMBER 番目の存在のみ処理する; このオプションは、サブコマンド --delete, --diff, --extract または --list のうちの1つと組み合わせて且つファイル一覧がコマンドラインか -T オプション経由のどちらかで指定された場合のみ有効である。 NUMBER はデフォルトで 1
まばら (sparse) 形式のバージョンを設定する (--sparse の意味を含む)
まばらに存在するファイルを効果的に処理する

制御を上書き:

抽出時に既存のファイルを置き換えない
アーカイブコピーより新しい既存のファイルを置き換えない
既存のディレクトリのメタデータを維持する
抽出時に既存のファイルを上書きする
抽出時に既存のディレクトリのメタデータを上書きする (デフォルト)
ディレクトリを抽出する前に階層を空にする
アーカイブへ追加した後ファイルを削除する
各ファイルを抽出して上書きする前に削除する
アーカイブを書き出した後に検証する

出力ストリームを選択:

子プロセスの終了コードを無視する
子プロセスの非ゼロ終了コードをエラーとして処理する
ファイルを抽出して標準出力へ出力する
ファイルを抽出して別のプログラムへ出力する

ファイル属性の処理:

アーカイブへアクセス制御リストを保存する
ダンプしたファイルの最終アクセス時刻を読み込み後に復元する (METHOD='replace'; デフォルト) か、最初に設定しない (METHOD='system') かのどちらかの方法で維持する
抽出が終了するまで抽出されたディレクトリの最終更新時刻と属性の設定を遅らせる
追加されたファイルのグループを NAME に変更する
追加されたファイルの (シンボリック) モードを CHANGES に変更する
DATE-OR-FILE から追加されたファイルの更新時刻を設定する
ファイルの更新時刻を抽出しない
アーカイブからアクセス制御リストを抽出しない
--delay-directory-restore オプションの効果を取り消す
自身のファイルとして抽出する (一般ユーザではデフォルト)
アーカイブから属性を抽出する時にユーザの umask を適用する (一般ユーザではデフォルト)
アーカイブから SELinux コンテキストを抽出しない
アーカイブからユーザ/ルート xattrs を抽出しない
常にユーザ名/グループ名に数字を使う
追加されたファイルの所有者を NAME に変更する
ファイル属性の情報を抽出する (スーパーユーザのデフォルト)
-p と -s 両方を指定したものと同じ
アーカイブ内と同じ所有者でファイルを抽出してみる
アーカイブとマッチさせるために抽出する名前を並び替える
アーカイブへ SELinux コンテキストを保存する
アーカイブへユーザ/ルート xattrs を保存する

デバイスの選択と切り替え:

アーカイブファイルまたはデバイス ARCHIVE を使用する
アーカイブファイルはコロンを含んでいてもローカルと見なす
各々のテープの最後でスクリプトを実行する (-M の意味も含む)
NUMBER x 1024 バイト書き出した後でテープを変更する
マルチボリュームのアーカイブを作成/一覧表示/抽出する
rmt の代わりに指定された rmt COMMAND を使用する
rsh の代わりにリモート COMMAND を使用する
FILE 中のボリューム番号を使用/更新する

デバイスブロッキング:

レコードあたり BLOCKS x 512 バイトに設定する
読み出しながら再ブロックする (4.2BSD パイプ用)
アーカイブ内のゼロブロック (つまり EOF) を無視する
レコードあたり NUMBER (512の倍数) バイトにする
アーカイブ形式の選択:
指定された形式のアーカイブを作成する
FORMAT は次のうちの 1 つ:
GNU tar 1.13.x 形式
GNU tar 1.12 以前の形式
POSIX 1003.1-2001 (pax) 形式
pax と同じ
POSIX 1003.1-1988 (ustar) 形式
古い V7 tar 形式
--format=v7 と同じ
--pax-option=keyword[[:]=value][,keyword[[:]=value]]...
pax キーワードを制御する
--posix
--format=posix と同じ
ボリューム名 TEXT でアーカイブを作成する; 一覧表示/抽出時に TEXT をボリューム名の抽出パターンに使用する

圧縮オプション:

圧縮プログラムを設定するためにアーカイブの接尾辞を使用する
PROG を経由してフィルタする (-d を受け付けなければならない)
bzip2 経由でアーカイブをフィルタする
xz 経由でアーカイブをフィルタする
lzip 経由でアーカイブをフィルタする
lzma 経由でアーカイブをフィルタする
圧縮プログラムを設定するためにアーカイブの接尾辞を使用しない
gzip 経由でアーカイブをフィルタする
compress 経由でアーカイブをフィルタする
注意: これらの圧縮オプションのいくつかを使用するためには外部プログラム (lzip/ncompress/lzma...) をインストールする必要があるかもしれない

ローカルファイルの選択:

指定された FILE をアーカイブへ追加する (ダッシュ ' で始まるファイル名の場合に便利)
削除する前にバージョン管理を CONTROL にしてバックアップする
ディレクトリ DIR へカレントディレクトリを変更する
PATTERN に一致するファイルを除外する
バックアップファイルやロックファイルを除外する
タグファイル自身を除く CACHEDIR.TAG を含むディレクトリの内容を除外する
CACHEDIR.TAG を含むディレクトリを除外する
CACHEDIR.TAG を含むディレクトリ以下のすべてを除外する
FILE 自身を除いた FILE を含むディレクトリの内容を除外する
FILE を含むディレクトリを除外する
FILE を含むディレクトリ以下のすべてを除外する
バージョン管理システムのディレクトリを除外する
シンボリックリンクを辿る; それらが指すファイルをアーカイブしてダンプする
ハードリンクを辿る; それらが参照するファイルをアーカイブしてダンプする
アーカイブ内のメンバー MEMBER-NAME で開始する
データが変更された時だけ日付および時刻を比較する
前の --null オプションの効果を無効にする
ディレクトリを再帰的に処理しない
-T で読み込んだファイル名の引用符を外さない
nullで終端されたファイル名を -T から読み込み、-C を無効にする
DATE-OR-FILE より新しいファイルだけを保存する
アーカイブを作成する時ローカルファイルシステムに限定する
ファイル名から先頭の `/' を取り除かない
ディレクトリを再帰的に処理する (デフォルト)
削除前にバックアップを取る際に環境変数 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていなければ通常の接尾辞 '~' を上書きしたファイル名を使用する
抽出あるいは作成する名前を FILE から取得する
-T で読み込んだファイル名の引用符を外す (デフォルト)
FILE に列挙されたパターンを除外する

ファイル名の変換:

抽出時にファイル名から先頭の NUMBER 個のコンポーネントを除去する
ファイル名の変換に sed の置換 EXPRESSION を使用する
ファイル名のマッチングオプション (除外/包含の両パターンに作用):
ファイル名の先頭とパターンが一致
大文字小文字を無視
任意の `/' 以降にパターンが一致 (除外のデフォルト)
大文字小文字を考慮して一致 (デフォルト)
逐語的文字列と一致
ワイルドカードが `/' に一致しない
ワイルドカードを使用する (デフォルト)
ワイルドカードが `/' に一致する (除外のデフォルト)

情報の出力:

NUMBER 番目のレコードごとに進捗メッセージを表示する (デフォルトは 10)
各チェックポイントで ACTION を実行する
FILE へ冗長出力を送信する
すべてのリンクがダンプされない場合、メッセージを表示する
STRING から文字列の引用を無効にする
STRING から更に文字列の引用をする
名前引用形式を設定する; 有効な STYLE については以下を参照
アーカイブ内のブロック番号を各々のメッセージとともに表示する
tar の既定値を表示する
一覧表示あるいは抽出時に、検索基準に一致しないディレクトリを表示する
変換後にファイル名あるいはアーカイブ名を表示する
アーカイブを処理後に総バイト数を表示する; 引数 - があれば、このシグナルが送られた時に 総バイト数を表示する; 許可されたシグナルは: SIGHUP, SIGQUIT, SIGINT, SIGUSR1 と SIGUSR2 である; SIG 接頭辞がない名前でも可
UTC でファイルの更新時刻を表示する
処理されたファイルの一覧を冗長に表示する
警告制御
すべてのアクションに確認を求める

互換性のためのオプション:

作成時は --old-archive と同じ; 抽出時は --no-same-owner と同じ

その他のオプション:

-?, --help
このヘルプ一覧を表示する
潜在的に有害なオプションの使用を無効にする
短い使用方法のメッセージを表示する
プログラムバージョンを表示する

長いオプションへの必須または任意の引数は対応する短いオプションに対しても必須または任意である。

--suffix または SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていない場合、バックアップの接尾辞は `~' である バージョン管理は --backup または VERSION_CONTROL へ次の値を設定することができる:

バックアップを作成しない
バックアップに番号をふる
番号がふられたバックアップがあれば番号をふり、そうでなければ simple と同じ挙動をする
常に単純なバックアップを作成する

--quoting-style オプションの有効な引数は次の通り:

literal shell shell-always c c-maybe escape locale clocale

既定値

「この」tar の既定値は次の通り: --format=gnu -f- -b20 --quoting-style=escape --rmt-command=/sbin/rmt --rsh-command=/usr/bin/rsh

著者

John Gilmore と Jay Fenlason によって書かれた。

バグ報告

バグは bug-tar@gnu.org へ報告してください。

著作権

Copyright © 2010 Free Software Foundation, Inc. License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <http://gnu.org/licenses/gpl.html>.
This is free software: you are free to change and redistribute it. There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.

関連項目

tar の完全なドキュメントは Texinfo マニュアルとして保守されている。もし info および tar プログラムが適切にインストールされているならば、コマンド

info tar

を実行することで、完全なマニュアルにアクセスできるはずである。

March 2010 tar 1.23