HOSTS_ACCESS(3) | Library Functions Manual | HOSTS_ACCESS(3) |
名前¶
hosts_access, hosts_ctl, request_init, request_set - アクセスコントロールライブラリ
書式¶
#include "tcpd.h" extern int allow_severity; extern int deny_severity; struct request_info *request_init(request, key, value, ..., 0) struct request_info *request; struct request_info *request_set(request, key, value, ..., 0) struct request_info *request; int hosts_access(request) struct request_info *request; int hosts_ctl(daemon, client_name, client_addr, client_user) char *daemon; char *client_name; char *client_addr; char *client_user;
説明¶
このドキュメントで説明されるルーチンは libwrap.a ライブラ リの一部である。このライブラリは、特定のルールに従うアクセスコン トロール書式を提供する。このアクセスコントロールには、ルールに合 致した場合、シェルコマンドが実行できるというオプション機能も含ま れている。
request_init() は、クライアントのリクエストについての情報のスト ラクチャを初期化する。request_set() は、すでに初期化されているリ クエストのストラクチャを更新するためにつかう。どちらの関数も key-value という 変数-値(variable-length) のペアによるリストを得 て、最初の引き数(first argument)を返す。引き数のリストはゼロの値 を持つ key で終る。すべての文字列の値を持つ引き数(argument)はコピーされる。 有効な key (そして対応する値のタイプ) は以下のとおり:
- RQ_FILE (int)
- リクエストと関連付けされるファイルディスクリプタ
- RQ_CLIENT_NAME (char *)
- クライアントホスト名
- RQ_CLIENT_ADDR (char *)
- クライアントのネットワークアドレスの名称(a printable representation)
- RQ_CLIENT_SIN (struct sockaddr_in *)
- クライアントのネットワークアドレス内部での名称(an internal printable representation)とポート番号。ストラクチャの中身はコピー されない。
- RQ_SERVER_NAME (char *)
- エンドポイントにあるサーバのホスト名
- RQ_SERVER_ADDR (char *)
- エンドポイントにあるサーバアドレスの名称(a printable representation)
- RQ_SERVER_SIN (struct sockaddr_in *)
- エンドポイントにあるサーバのネットワークアドレス内部での名称(an internal printable representation)とポート番号。ストラクチャの中 身はコピーされない。
- RQ_DAEMON (char *)
- サーバホストで動作するデーモンの名前
- RQ_USER (char *)
- リクエストを発行したユーザのクライアントホストにおける名称
hosts_access() は hosts_access(5) のマニュアルページで 解説されている、アクセスコントロールテーブルを参照する。 内部のエンドポイント情報が有効であった場合、 要求に応じてホスト名とクライアントユーザ名の探査が行われ、 リクエスト・ストラクチャをキャッシュする。 もしアクセスが拒否された場合、hosts_access() はゼロを返す。
hosts_ctl() は request_init() と hosts_access() をさらに使いやす いインターフェースによって包むラッパーである (自動的にクライアン トのユーザ名を探査するには、充分な機能とはいえないけれども)。 クライアントホストアドレス、クライアントホスト名、そしてユーザ名 に対する引き数は、有効なデータまたは STRING_UNKNOWN を利用するこ と。もしアクセスが拒否された場合、hosts_ctl() はゼロを返す。
変数 allow_severity と deny_severity は受諾または拒 否するリクエストをどのように記録するかを指示するものである。 これらは呼び出す側によって規定されるべきものであり、アクセスコン トロールテーブルに示されるルールによっては変更される可能性がある。
返り値¶
問題があれば syslog デーモンを通じて報告される。
関連項目¶
hosts_access(5), ホストアクセスコントロールファイルの書式 hosts_options(5), ホストアクセスコントロールの拡張書式
ファイル¶
/etc/hosts.allow, /etc/hosts.deny, アクセスコントロールテーブル
バグ¶
hosts_access() は strtok() ライブラリ関数を使っている。 これにより、strtok() をあてにしている他のコードと干渉が おきるかもしれない。
著者¶
Wietse Venema (wietse@wzv.win.tue.nl) Department of Mathematics and Computing Science Eindhoven University of Technology Den Dolech 2, P.O. Box 513, 5600 MB Eindhoven, The Netherlands