LINK(2) | Linux Programmer's Manual | LINK(2) |
名前¶
link - ファイルの新しい名前を作成する
書式¶
#include <unistd.h>
int link(const char *oldpath, const char *newpath);
説明¶
link() は存在するファイルへの新しいリンク (link) (ハードリンク (hard link) ともいう) を作成する。
newpath が存在する場合には上書きはされない。
この新しい名前は全ての操作において古い名前と完全に同じように使用される; 両方の名前は同じファイルを参照しており (それで同じ許可 (permission) や所有者 (ownership) となるので)、 どちらの名前が本来のものであるか判別できない。
返り値¶
成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は -1 が返され、 errno が適切に設定される。
エラー¶
- EACCES
- newpath を含んでいるディレクトリへの書き込みが許されていないか、 oldpath または newpath へのディレクトリのどれかに検索許可がない (path_resolution(7) を参照)。
- EDQUOT
- The user's quota of disk blocks on the file system has been exhausted.
- EEXIST
- newpath が既に存在する。
- EFAULT
- oldpath や newpath がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
- EIO
- I/O エラーが発生した。
- ELOOP
- oldpath または newpath を解決する際に遭遇したシンボリックリンクが多過ぎる。
- EMLINK
- oldpath によって参照されるファイルは 既に最大数までのリンクを持っている。
- ENAMETOOLONG
- oldpath または newpath が長過ぎる。
- ENOENT
- oldpath または newpath のディレクトリ部分が存在しないか、 壊れた(dangling)シンボリックリンクである。
- ENOMEM
- 十分なカーネルメモリーがない。
- ENOSPC
- そのファイルを含んでいるデバイスに新しいディレクトリエントリを 作成するための空きがない。
- ENOTDIR
- oldpath または newpath のディレクトリ部分が、実際には、ディレクトリでない。
- EPERM
- oldpath がディレクトリである。
- EPERM
- oldpath と newpath を含んでいるファイルシステムがハードリンクをサポートしていない。
- EPERM (Linux 3.6 以降)
- The caller does not have permission to create a hard link to this file (see the description of /proc/sys/fs/protected_hardlink in proc(5)).
- EROFS
- ファイルが読み込み専用のファイルシステムに存在する。
- EXDEV
- oldpath と newpath が同じマウントされたファイルシステムに存在しない。 (Linux は 1 つのファイルシステムを複数のマウント位置に マウントすることを許可している。 しかし link() は、たとえ同じファイルシステムであっても、 別々のマウント位置を跨いでは動作しない。)
準拠¶
SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001 (但し「注意」を参照)。
注意¶
link() でファイルシステムを超えてハードリンクを作成することはできない。 このような場合は symlink(2) を使用すること。
POSIX.1-2001 では、 oldpath がシンボリックリンクである場合、 link() は oldpath の参照を解決すべきであると記述されている。 しかし、カーネル 2.0 以降の Linux ではそのようになっていない。 oldpath がシンボリックリンクである場合、 newpath は同じシンボリックリンクファイルへの (ハード) リンクとして作成される (つまり newpath は oldpath が参照していた同じファイルへのシンボリックリンクになる)。 他のいくつかの実装でも Linux と同じように動作する。 POSIX.1-2008 では link() の仕様が変更され、 oldpath がシンボリックリンクの場合にシンボリックリンクの参照を 解決するかどうかは実装依存となった。 リンク作成時のシンボリックリンクの扱いについての詳細な制御に 関しては linkat(2) を参照のこと。
バグ¶
NFS ファイルシステムでは、NFS サーバーがリンクを作成した後に、 それを伝える前に死んだ場合には返り値が不正な場合がある。 リンクが作成できたかどうか見つけるためには stat(2) を使用すること。
関連項目¶
ln(1), linkat(2), open(2), rename(2), stat(2), symlink(2), unlink(2), path_resolution(7), symlink(7)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2013-01-27 | Linux |