quotacheck(8) | System Manager's Manual | quotacheck(8) |
名前¶
quotacheck - ファイルシステムをスキャンしディスク使用量を調べる。quota ファイルの作成・チェック・修復を行う
書式¶
quotacheck [ -gubcfinvdMmR ] [ -F quota-format ] -a | filesystem
説明¶
quotacheck は各ファイルシステムを調べて、現在のディスク使用量のテーブルを構築し、 ファイルシステムのディスク quota ファイルに記録されているテーブルと比較する (-c が指定された場合、最後のステップは省略される)。 デフォルトではユーザー quota のみがチェックされる。 quotacheck はチェックされる各ファイルシステムのルートに [a]quota.user と [a]quota.group という名前の quota ファイルがあるものと仮定する。 ファイルが存在しない場合、 quotacheck はこれを作成する。
quota ファイルが壊れている場合、 quotacheck は可能な限りデータを保存しようとする。 データを救い出すにはユーザーの介入が必要かもしれない。 このような状況でオプションを指定しないと、 quotacheck は単純に終了する。 対話モード (オプション -i) では、ユーザーは意見 (advice) を尋ねられる。 意見をコマンドラインで提示することもできる (オプション -n を参照)。 これは quotacheck を自動的に (すなわち、スクリプトから) 実行し、 失敗を受け入れない場合に役に立つ。
quotacheck は、システムがブートして quota が正しく設定されていないファイルシステムをマウントする度に 必ず起動させなくてはならない。 これはシステムクラッシュ後に最も良く起こりがちである。
ファイルシステムの quota を無効にして、 quotacheck を実行することを強く推奨する。 さもないと、quota ファイルのデータが損傷したり失われたりする可能性がある。 スキャン中に実使用量が変わるかもしれないので、 使用中のファイルシステムに quotacheck を実行することも賢明でない。 これを避けるため、 quotacheck はスキャンを開始する前にファイルシステムを リードオンリーで再マウントしようとする。 quotacheck はスキャンが完了すると、ファイルシステムをリードライトで再マウントする。 オプション -m により、この動作を無効にできる。 オプション -M により、ファイルシステムをリードオンリーで再マウントするときの失敗を quotacheck に無視させることもできる。
オプション¶
- -b
- 新しいデータを書き込む前に、 quotacheck に quota ファイルのバックアップを作成させる。
- -v
- quotacheck に進行している操作を表示させる。 通常は寡黙に動作する。
- -d
- デバッグモードを有効にする。 プログラムのデバッグを行なうための多くの情報を表示する。 出力はかなり詳細になり、スキャン速度も低下するだろう。
- -u
- /etc/mtab でリストされているファイルシステム、 または指定されたファイルシステムのユーザー quota のみがチェックされる。 デフォルトの動作である。
- -g
- /etc/mtab でリストされているファイルシステム、 または指定されたファイルシステムのグループ quota のみがチェックされる。
- -c
- 既存の quota ファイルを読み込まない。 新規にスキャンを実行し、それをディスクに保存する。 quotacheck は古い quota ファイルが見つからなければ、そのスキャンも飛ばす。
- -f
- quota が有効にされているファイルシステムに対して、 quota ファイルをチェックして、新しい quota ファイルを書き込む。
- -M
- このフラグが指定されると、再マウントに失敗した場合に リードライトモードでファイルシステムをチェックする。 スキャン中にファイルシステムに書き込むプロセスがないことが 確かな場合にのみ実行すべきである。
- -m
- ファイルシステムをリードオンリーで再マウントしない。 オプション -M のコメントも参照すること。
- -i
- 対話モード。 デフォルトでは、エラーがあった場合 quotacheck は終了する。 対話モードではユーザーは入力を求められる。 オプション -n を参照すること。
- -n
- quota ファイルが壊れている場合でも、 存在する 1 つのユーザー ID またはグループ ID のエントリを 複製できる可能性がある。 通常はこのような場合、 quotacheck は終了するかユーザーに入力を求める。 このオプションが設定された場合、見つかった最初のエントリが常に使われる (このオプションは対話モードでも動作する)。
- -F format-name
- 指定されたフォーマットの quota ファイルのチェックと修正を行う (つまり、フォーマットの自動判定を行わない)。 quota ファイルが壊れていて判定がうまく動作しない場合に推奨される。 vfsold (バージョン 1 の quota), vfsv0 (バージョン 2 の quota), rpc (NFS 越しの quota), xfs (XFS ファイルシステム上の quota)。
- -a
- /etc/mtab にある NFS 以外の全てのファイルシステムをチェックする。
- -R
- -a オプションとともに使った場合、 ルートファイルシステム以外の全てのファイルシステムがチェックされる。
注意¶
quotacheck はスーパーユーザーとしてのみ実行すべきである。 恐らく非特権ユーザーは、指定されたファイルシステムの全てのディレクトリを 読むことが許可されていない。
関連項目¶
quota(1), quotactl(2), fstab(5), quotaon(8), repquota(8), convertquota(8), setquota(8), edquota(8), fsck(8), efsck(8), e2fsck(8), xfsck(8)
ファイル¶
- aquota.user または aquota.group
- quota を設定するファイルシステムのルートに置かれる (バージョン 2 の quota, XFS 以外のファイルシステム)。
- quota.user または quota.group
- quota を設定するファイルシステムのルートに置かれる (バージョン 1 の quota, XFS 以外のファイルシステム)。
- /etc/mtab
- マウントされているファイルシステムの名前と位置が書かれている。
著者¶
Jan Kara <jack@suse.cz>。
このプログラムは
Edvard Tuinder <ed@elm.net>
Marco van Wieringen <mvw@planets.elm.net>
による昔の quotacheck
に基づいている。
Fri Jul 20 2001 |