PO4A-RUNTIME(7) | Po4a Tools | PO4A-RUNTIME(7) |
名前¶
po4a-runtime - po4a と Autotools を使用しないランタイム gettext 翻訳
概要¶
po4a-build, po4a では、gettext を用いたランタイム出力メッセージの翻訳もサポートしていますが、Autotools や 典型的な ./configure プロセスを採用したパッケージでは必要ありません。
サンプルの Makefile スニペットを用いると、最小限の労力でパッケージに intltool を組み込めます。
レイアウト¶
ドキュメントの翻訳は、ランタイム翻訳と同じ po/ ディレクトリを使用するべきではありません。ランタイム翻訳は po/ と異なるディレクトリを使用できますが、通常この規約を用いるのが一番簡単です。
複数の言語¶
これは、複数のプログラム言語のスクリプトを用いたパッケージという意味です。一般的なミックスは Perl とシェルです。注意: ファイルの拡張子がほとんど問題のないものである場合を除き、gettext は混乱してしまい、どちらかの言語を取り除いてしまうでしょう。
複数の言語を使用する際、POT ファイルに必要な文字列がすべて取得できるまで、po/Makevars で各種設定を実験してください。
具体的には、po/Makevars に複数の言語を指定すると、問題があります。以下の代わりにしてください。
# このようにしてはいけません XGETTEXT_OPTIONS = -L Perl -L Shell --from-code=iso-8859-1
ひとつの言語に関係する名前の変更 (やシンボリックリンクの作成) や、-L オプションでの明示の省略だと考えてください。po/POTFILES.in を処理する際に、ファイルの拡張子が必要なだけです。
--keywords オプションも便利です - xgettext のドキュメントをご覧ください。
po/ への移行¶
つまり、トップレベルの po/ ディレクトリを作成し、/usr/share/doc/po4a/examples/ にあるサンプルファイルを、移動してください。
- LINGUAS
- 空だったとしても存在しなければなりません。翻訳のリストでできており、'#'
で始まらない各行は、存在する
PO
ファイルに一致しなければなりません。例えば、LINGUAS
に 'fr'
とだけ書かれていれば、fr.po
ファイルが LINGUAS
ファイルと同じディレクトリになければなりません。
$ cat po/LINGUAS cs de fr $
規約では LINGUAS ファイルはアルファベット順にソートされますが、手作業です。
- POTFILES.in
- ランタイム
(つまりスクリプト内)
で翻訳される必要があるメッセージを持つファイルリストです。トップレベル
po/
ディレクトリを使用する場合、パスは
po/
ディレクトリそのものではなく、トップレベルディレクトリからの相対パスにしてください。
$ ls -l myscript.pl another.pl foo/support.pl po/ po/POTFILES.in $ cat po/POTFILES.in myscript.pl another.pl foo/support.pl $
ランタイムの翻訳とドキュメントの翻訳の両方を含むスクリプト (例: ランタイムに gettext を使用し、ドキュメントに埋め込み POD 内容を含む) は、明らかにサポートされるということに注意してください。そのため、po/POTFILES.in と doc/po4a-build.conf に、同じファイルがリストされていても問題ありません。
- Makevars-perl.example
- スクリプトが Perl の場合、このサンプルファイルを po/Makevars としてコピーし、適合するように編集してください。
- Makevars-shell.example
- スクリプトが シェル の場合、このサンプルファイルを po/Makevars としてコピーし、適合するように編集してください。
- po4a-build.make
- このサンプルファイルを po/Makefile としてコピーしてください。編集する必要はないはずですが、po4a のリリースにより、根本的に intltool のサポートが変更される可能性があるため、/usr/share/doc/po4a/examples/po4a-build.make を更新したくなるかもしれません (このファイル自体は Autotools や intltool を用いた別プロジェクトで生成されます)。
構築¶
以下のスニペットを、最上位の Makefile や、配付用にソースを準備する手段ならどこでも追加する必要があります。
clean: $(MAKE) -C po/ clean install: $(MAKE) -C po/ install DESTDIR=$(DESTDIR) dist: $(MAKE) -C po/ pot
(Autotools プロジェクトでは、Makefile.am の "SUBDIRS" に po を追加するだけで、自動的にこうなります)
保守¶
新しい翻訳を加える際には、po/LINGUAS の編集が必要なので、ランタイムの翻訳は po4a-build とまったく同じように簡単とは言えません。しかしそれは別にしても、翻訳の更新は PO ファイルを新しいバージョンに置き換えるだけに過ぎません。
ソースコード tarball の用意のしかたによりますが、MANIFEST ファイルに新しい PO ファイルをリストしたり、tarball を用意するスクリプトに追加したりといったことも、必要になるでしょう (これは po4a-build にも適用します)。
po/ にある *.mo や *.gmo はすべて削除されます。
著作権¶
サンプルファイルは po4a プロジェクトの一部ですが、Automake 自体のような他の構築ツールと同様に、著作権表示で po4a を参照したり、po4a チームを列挙したりせずに、あなたのプロジェクトで自由に使用、変更、頒布できます。po4a に言及してくださるなら、それもまたすばらしいと思います。
著者¶
Neil Williams <linux@codehelp.co.uk>
訳者¶
倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp> Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>
2014-05-02 | Po4a Tools |