APROPOS(1) | マニュアルページユーティリティー | APROPOS(1) |
名前¶
apropos - マニュアルページの名前と要約文を検索する
書式¶
apropos [-dalv?V] [-e|-w|-r] [-s list] [-m system[,...]] [-M path] [-L locale] [-C file] keyword ...
説明¶
各マニュアルページには短い要約文が含まれています。 apropos はそのマニュアルページの要約内にある keyword を検索します。
keyword は通常は (-r を指定した時のように) 正規表現として扱われますが、 -w を指定してワイルドカードを含めたり、 -e を指定して厳密に keyword に一致させたりすることもできます。これらのオプションを使用する場合には、シェルの解釈を抑止するために keyword を引用符で囲むか、特殊文字をエスケープ (\) する必要があります。
標準の一致処理ルールではページ名や要約文内の単語境界にも一致させることができます。
apropos によって検索されるデータベースは mandb プログラムによって更新されます。インストール方法によりますが、cron ジョブとして mandb が定期的に実行されているかもしれませんし、マニュアルページをインストール時に mandb を手動で実行する必要があるかもしれません。
オプション¶
- -d, --debug
- デバッグ情報を表示します。
- -v, --verbose
- 冗長な警告メッセージを表示します。
- -r, --regex
- 各 keyword を正規表現として解釈します。これはデフォルトの動作です。ページ名と要約文に対してそれぞれ独立して keyword の一致処理が行われます。一致処理は両者のどの部分も対象になります。一致処理は単語境界に限定されません。
- -w, --wildcard
- 各 keyword をシェル形式のワイルドカードを含むパターンとして解釈します。ページ名と要約文に対してそれぞれ独立して一致処理が行われます。 --exact も併せて指定した場合、展開された keyword が要約文またはページ名全体に一致した場合のみ一致したと判定されます。指定しない場合、 keyword は要約文内の単語境界に対しても一致処理が行われます。
- -e, --exact
- 各 keyword はページ名と要約文に対して厳密に一致処理が行われます。
- -a, --and
- 与えた keyword 全てに一致したページのみ表示します。デフォルトはいずれかに一致するページを表示します。
- -l, --long
- 出力を端末幅で切り詰めません。通常は、適切に書かれていない 名前 (NAME) 節による見にくさを避けるために出力が端末の幅に切り詰められます。
- -s list, --sections=list, --section=list
- 指定したマニュアルセクションのみ検索します。 list はコロンまたはコンマで区切られたセクションのリストです。もし、 list の項目が単純なセクション、例えば "3" ならば、表示される説明のリストには "3"、 "3perl"、 "3x" 等のセクションのページが含まれます。一方 list に拡張部分も含める、例えば "3perl" ならば、表示される説明のリストはマニュアルセクションに厳密に一致したページのみ含まれるようになります。
- -m system[,...], --systems=system[,...]
- 現在のシステムが他のオペレーティングシステムのマニュアルページにアクセスできる場合、このオプションを使用するとそれらが検索されます。例えば、
NewOS
のマニュアルページの説明を検索する場合には、
-m NewOS
を使用します。
system にはコンマで区切ったオペレーティングシステム名の組み合わせを指定できます。現在のオペレーティングシステムの whatis を検索に含めるためにはシステム名として man を引数に含めます。このオプションは $SYSTEM 環境変数を上書きします。
- -M path, --manpath=path
- 検索するマニュアルページ階層を変更する場合、その集合をコロンで区切って指定します。デフォルトでは、apropos は $MANPATH 環境変数を使用します。 $MANPATH 環境変数が空であるか、設定されていない場合、$PATH 環境変数に応じて適切なマニュアルページのパスが決定されます。このオプションは $MANPATH の内容を上書きします。
- -L locale, --locale=locale
- apropos は通常、現在のロケールを C の関数 setlocale(3) を呼び出すことによって決定します。これはおそらく $LC_MESSAGES や $LANG などを含むさまざまな環境変数を使用します。一時的にこの値を上書きしたい場合には、このオプションを使用して apropos に直接 locale 文字列を渡します。これはページの検索が実際に開始されるまでは効果が無いことに注意してください。ヘルプメッセージなどは常に初期に決定されたロケールによって表示されます。
- -C file, --config-file=file
- デフォルトの ~/.manpath ではなく指定したユーザ設定ファイルを使用します。
- -?, --help
- ヘルプメッセージを表示して終了します。
- --usage
- Print a short usage message and exit.
- -V, --version
- バージョン情報を表示します。
終了ステータス¶
- 0
- プログラムが正常に実行されました。
- 1
- 使用法、構文または設定ファイルのエラーです。
- 2
- 操作のエラーです。
- 16
- 指定したキーワードにマッチしたページが見つかりませんでした。
環境変数¶
- SYSTEM
- $SYSTEM が設定されている場合、 -m オプションで指定した引数と同様の効果があります。
- MANPATH
- $MANPATH が設定されている場合、その値はコロン区切りのマニュアルページ階層の検索パスとして使用されます。
- MANWIDTH
- If $MANWIDTH is set, its value is used as the terminal width (see the --long option). If it is not set, the terminal width will be calculated using the value of $COLUMNS, and ioctl(2) if available, or falling back to 80 characters if all else fails.
- POSIXLY_CORRECT
- $POSIXLY_CORRECT が設定されている場合、値が空であったとしても、 apropos はデフォルトで拡張正規表現 (-r) を使用して検索します。今日ではこの動作が常にデフォルトです。
ファイル¶
- /usr/share/man/index.(bt|db|dir|pag)
- 伝統的な大域インデックス型データベースキャッシュです。
- /var/cache/man/index.(bt|db|dir|pag)
- FHS 準拠の大域インデックス型データベースキャッシュです。
- /usr/share/man/.../whatis
- 伝統的な whatis テキスト型データベースです。
関連項目¶
著者¶
Wilf. (G.Wilford@ee.surrey.ac.uk). Fabrizio Polacco (fpolacco@debian.org). Colin Watson (cjwatson@debian.org).
バグ¶
2020-06-22 | 2.9.3 |